東方鈴奈庵第37話『人里に沸く馬の酔う木 後編』感想

公開日: : 書籍感想, 東方

東方鈴奈庵37話の感想です。

今回の表紙は冬服仕様の小鈴と霊夢。

地霊殿でもツッコミを入れられていましたが冬服でも霊夢は相変わらず腋出しなあたり

霊夢の腋に対する並々ならぬこだわりが感じられます。

 

 

小鈴、あなた疲れているのよ

小鈴が倒れたという話を聞いてきたようで魔理沙が鈴奈庵に立ち寄ります。

しかし小鈴は既に店番をしており特に問題なく回復したようです。

そこにマミゾウも小鈴の容態を確認しにやってきました。

何故妖怪のお前がここにいるのかとマミゾウに突っかかる魔理沙ですが

小鈴を助けたのは自分だからというマミゾウの主張に言及をやめた模様です。

そして2人して小鈴が倒れた経緯を聞きます。

首の無い馬を見たという小鈴ですがマミゾウが助けた時には既にいなかった模様。

魔理沙は霧と乱反射による見間違い説を主張し

マミゾウもそれに同意した模様。

一応納得する小鈴ですが魔理沙自信もマミゾウの反応が怪しく感じており

ただの見間違いではないと推測して専門家である霊夢の元を尋ねます。

 

 

本当に首なし馬?

魔理沙から話を聞いた霊夢は「首無し馬ではないか?」と魔理沙に告げます。

非常にどストレートなネーミングのその妖怪は神が乗っていると言われ

見た目の怖さとは反対に縁起のいい妖怪であるという事です。

しかし馬関連といえばもう1つ、塩屋敷の主の話です。

魔理沙が調べた所どうやら完全に黒であるらしく

馬の味を占めた塩屋敷の主は家畜の馬を次々と殺しては食べていたそうです。

それを聞いた霊夢は「首無し馬ではないかも」と判断したようで

1人、その妖怪の調査を開始しました。

 

 

妖怪から守るべき人間はもういない

同じ推測にたどり着いたのがもう1人、マミゾウです。

マミゾウが考える妖怪の正体は「馬憑き」。

死んだ馬の霊が馬を粗末に扱った人に取り憑き苦しめると言われる妖怪です。

取り付かれた人間は馬のような振る舞いをし、

最後には精神に異常をきたして死ぬといわれています。

そして丁度最近様子のおかしい馬を粗末に扱っていた人間が存在します。

もし正体が馬憑きであれば誰に取り憑いたかは一目瞭然ですね。

人里の人間に手を出すというタブーを犯ししかもその相手が里の有力者という事で

馬憑きに興味津々の様子のマミゾウですが

霊夢の姿を見かけて慌てて身を隠します。

霊夢も自分の推理を確かめに塩屋敷まで来ていたのでした。

そして馬の嫌う馬酔木の木が全て取り除かれていた事を確かめた霊夢は

自分の推理が正しい事を確信します。

塩屋敷の主をもう助ける事が出来ないという事実と一緒に。

 

 

不可解な死因

後日、魔理沙は再び鈴奈庵を訪れます。

小鈴の見た首無し馬は縁起のいい妖怪だから恐れる必要がないと魔理沙が伝えると

「だったらもう少し見ておけばよかった」と残念がる小鈴ちゃん。

どうやら危険が無いと分かれば平気なようです。

そしてよく見ると小鈴が喪服を着ています。

塩屋敷の長者が病死したという事でもう店仕舞いをして葬式に参加するようです。

恐らくは小鈴の両親も一緒に葬式に参加するのでしょう。

しかし塩屋敷の旦那もまた鈴奈庵のお得様でした。

小鈴の話によればつい先日ガーデニングに関する本を借りていたそうです。

余命いくばくも無いほど病弱な人間が借りる本とは思えない小鈴は

病死ではなく何かの事件だと推測しているようです。

魔理沙は「思ってても口にはしないように」と注意しながら小鈴を見送ります。

 

 

巫女の仕事

塩屋敷の主を弔う為の葬儀の列を遠くからマミゾウが眺めています。

マミゾウが馬憑きに接触しようと思った時にはもう遅く、霊夢が始末していた後でした。

塩屋敷の旦那が病死したと周りに伝えたのも霊夢でした。

恐らくは「妖怪に憑かれていた」という事実を世間には明かさない方針なのでしょう。

非常に険しい表情であんたの仕業か?とマミゾウを問い詰める霊夢。

もしそれが事実であればマミゾウも始末するのでしょう、そういう顔つきをしています。

しかし霊夢自信も今回はマミゾウが関係ない事を理解しているのか殺気を鎮めます。

今回は塩屋敷の主が馬を食べていた事から発生した悲劇。

そう言いながらも犠牲者が出てしまった事、それも元に戻す事は不可能だったとはいえ

自分の手で殺める事になった霊夢は複雑な心境だったに違いありません。

 

 

 

 

犠牲者が発生し霊夢もその手を汚す必要のあったいつに無くシリアスな回でした。

少し気になるのは霊夢の犯行の手口です。

仮にも里の有力者の屋敷に侵入し人知れず長者に取り憑いた馬憑きを始末しています。

周囲に気付かれないように実行したとなれば相当に鮮やかな犯行だと思われます。

もしくは使用人達を上手く説得した上で堂々と始末したのかもしれません。

どちらにせよ「何度も経験してきた行為」である事を感じさせます。

博麗の巫女というのも辛い仕事ですね・・・。

 

 

今回の話の元となったと思われるのが百物語の1つ「塩の長司」です。

塩の長司

塩の長司という長者(お金持ちの事)がおり300頭もの馬を飼っていたのですが

死んだ馬の肉を味噌漬けや塩漬けにして毎日のように食べていたのです。

そしてある日役に立たなくなった老馬を殺して食べてしまいます。

するとその夜老馬の霊が長司の夢の中に現れ喉に食いつきます。

その日から老馬を殺した時間に決まって老馬の霊が現れて

長司の口に入り込み体内で暴れまわりました。

そのたびに1日6時間、ひたすら長司はのた打ち回るほど苦しみながら

数々の悪行の暴露や暴言を吐き続けたといいます。

そして医者が治療を試みても一向に容態は回復せずにこの苦しみは続き

ついに100日後、馬が重荷を背負うような姿で死んでいたと言われています。

 

塩の長者、馬を食べていたという経緯から見ても

この塩の長司が今回の話の元ネタである事はほぼ間違いないでしょう。

「馬を食べる事は悪い事なの?」思う人もいると思いますが

当時では馬や牛は荷物運びや畑仕事の手伝いなど生活の助けとなる存在であり

粗末に扱ったり殺して食べてしまう事は大きな罪とされていました。

今回の鈴奈庵で犠牲者となった塩問屋の長者は豹変前は評判のいい人物だったらしく

ただ「馬を殺して食べた」という点で悪行をしていたと扱われています。

恐らく幻想郷でも馬や牛を食べる事はタブーとされているのでしょう。

その一方でメジャー食材として扱われる兎に合掌です。

 

 

自分も馬刺しは好きなので今回のお話は結構怖いものでした。

ちなみに自分は食べていい動物と食べてはいけない動物を区別するのが好きではない為、

犬や鯨を食用とする事にも肯定派だったりします。

カニバリズムは非常時や葬儀としての意味合いならといった所でしょうか。

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