デッキ破壊
相手のライフを削るのではなくデッキを削る事によってデッキ切れによる勝利を狙うという
遊戯王のみならず様々なTCGにおいて存在する戦術です。
マジック・ザ・ギャザリングでは「ライブラリーアウト」という言葉の方が広く使われるでしょうか。
遊戯王においても古くからデッキ破壊をコンセプトとするデッキは存在するのですが
カード単体でデッキ破壊を行うものはあっても
カテゴリのテーマとしてデッキ破壊を行うというのは今まで存在していませんでした。
強いて言えば【ゴーストリック】において
ゴーストリック・スケルトンを主軸とするデッキ破壊タイプがあるぐらいでしょうか。
しかしそんな中で相手のライフを削る事を一切考えていない
ただひたすらにデッキ破壊によって勝利する事に特化したテーマが
3月19日に発売されるデッキビルドパック タクティカル・マスターズに登場しました。
今回はそのデッキ破壊テーマ【神碑(ルーン)】について紹介したいと思います。
目次
テーマ特徴
テーマの特徴を挙げると以下の通りです
・FPS視点のファンタジーゲームを意識したようなテーマである
・メインデッキは全て魔法カードだが共通効果でEXデッキから直接特殊召喚できる
・相手にダメージを与える手段を一切もたず代わりに相手のデッキを除外していく
・攻撃を一切行わない代わりに妨害性能、防御性能が高く持久戦に持ち込みやすい
・だから黄金銃は反則だって言ってるだろ!
相手からアイテムを受け取る、剣を構えつつ魔法を使う、ボスと思われる存在に銃で応戦すると
多くのイラストにおいて自分の腕だけが映っているような視点が描かれているのが特徴です。
これはいわゆる操作するプレイヤーの本人視点でプレイするゲームジャンルである
FPS(ファーストパーション・シューティングゲーム)に見られる特徴です。
一緒に収録されるテーマのヴァリアンツが陣取りアーケードゲームをイメージしているのに対して
この神碑はFPSをイメージしたテーマだと言えるでしょう。
全体的にファンタジー色の強いテーマですが銃がしっかりあるあたりがFPSですね。
こうなると残ったラビュリンスはウィザードリィあたりがモチーフかもしれませんね。
ルーンとはゲルマン人が使用していた文字であり
またこの文字が刻まれたルーンストーンは占いなどに用いられます。
このテーマのイラストでも独特な形の石から魔法を使用するような描写がたびたび見られ
この魔法を使う為の石が「神碑」なのだと思われます。
ダメージは一切与えずデッキ破壊に特化する
まずこのテーマで目を引くのはなんといっても
メインデッキのカードが全て魔法カードである事でしょう。
そのうち大半が速攻魔法でありフィールド魔法である神碑の泉、
永続魔法である神碑の誑かしはいずれも速攻魔法をサポートする効果となっており
速攻魔法を主体とするデッキである事が伺えます。
そして各種速攻魔法はいずれもそれぞれの効果の他に
EXデッキから神碑モンスターを直接特殊召喚する効果を持っています。
EXデッキから出せる神碑の翼ムニン、神碑の牙ゲーリはいずれも攻撃力が0であり
むしろ相手の妨害や防御をメインとする性能をしています。
何よりも各種速攻魔法は発動すると次の自分バトルフェイズをスキップしてしまうデメリットがあり
そもそも戦闘を行うチャンスがまったくといいほどありません。
そしてダメージを与える類の効果もテーマ内には存在しておらず
つまりこのテーマは相手のライフを0にして勝利する事を初めから想定していません。
そこで鍵を握ってくるのがEXデッキから特殊召喚する以外のもう1つのテーマであり
相手の魔法罠を破壊する、相手のモンスター効果や攻撃を封じたりすると同時に
相手のデッキの上から一定枚数カードを除外する事が可能です。
この除外によるデッキ破壊こそがこのテーマの勝ち筋となっており
全ての速攻魔法にデッキ破壊効果が存在するというデッキ破壊に特化したテーマとなっています。
テーマ単位でデッキ破壊に特化しているというのは史上初といってもよく
それでいてメインデッキが魔法カードのみという事も相まって
過去のテーマの中でも類を見ないレベルで異色のテーマとなっています。
なお相手のライフを0にする事は想定していないと言いましたが
D.D.ダイナマイトなどを用いる事で相手のライフを削る戦術も可能です。
意外と他のテーマにも混ぜていける
今までにもデッキ破壊を旨とするデッキは存在していましたが
その多くはいくつかのカードのコンボによって1ターンキルを実現するコンセプトでした。
その一方でこのカードは相手の動きを妨害しながら相手のデッキを削っていくという
持久戦を想定したタイプのデッキ破壊を狙っていく事になります。
戦闘破壊された時に相手のカードを破壊できる神碑の牙ゲーリ、
特殊召喚された相手モンスターを破壊できる輝く炎の神碑、
相手の攻撃を封じるまどろみの神碑、相手のモンスター効果を封じる凍てつく呪いの神碑などで
上手く時間稼ぎをしつつデッキをごりごり除外していく戦術になってきます。
最大で3枚もの速攻魔法を回収できるフィールド魔法の神碑の泉はこのテーマの要であり
いかにしてアドバンテージ源であるこのカードを守っていくかも課題になってきます。
魔法カードがメインである為に対モンスター用のカードに対しては強いものの
その一方で魔法カードのメタには滅法弱いという弱点を持っています。
特に魔法カードの発動を封じる王宮の勅命、魔法族の里などは天敵と言っていいでしょう。
発動した直後であれば破壊の神碑によって除去もできますが
一度発動を許すとどうしようもありません。
魔法カード以外でこれらをどかす手段も大事になってくるでしょう。
また除外によるデッキ破壊がメインである為に
王宮の鉄壁やアーティファクト-ロンギヌスなどの除外メタや
そもそも【メタファイズ】や【不知火】のように
除外する事で相手に塩を送ってしまうデッキも辛い所です。
このように弱点は存在するものの、それでも従来のデッキとはまったく異なる弱点であり
基本的に専用の対策手段が求められるデッキです。
相手によってはサイドデッキにすら対策手段がないという事も珍しくなく
地雷デッキとしての厄介さも兼ね備えたテーマだと言えます。
デッキ破壊というのは単純にそれによる勝利を狙えるだけでなく
相手がサーチやリクルートしたかったカードをなくしてしまう事も狙えるので
流離のグリフォンライダーを1枚しか採用していない【勇者】などは
そういった面で刺さる事もあるでしょう。
また各種速攻魔法はバトルフェイズを行えなくなるという強烈なデメリットがあるものの
逆に言えばそれ以外の制約は存在しません。
最初から戦闘する事を想定しないデッキであれば
これらのカードを出張させることも充分に可能です。
例えばゴーストリック・パレードとゴーストリック・スケルトンを活用するタイプの
【ゴーストリック】は同じく戦闘せずデッキ破壊する事を旨としているので
混ぜてみるのも面白いでしょう。
個人的に相性がいいと思うカード
通常魔法
自分の手札とフィールド上のカードを全て墓地に送る。
自分のデッキの一番上にあるカードの種類(魔法・罠・モンスター)を当てる。
当てた場合、相手と自分のライフポイントを入れ替える。
条件を満たす事で自分と相手のライフを入れ替える
魔法カードオンリーのデッキ【緑一色】のキーカードです。
神碑は魔法カードオンリーのデッキを組むことが可能なだけでなく
相手のライフを一切削らないという点も大逆転クイズのコンセプトに合致しており
デッキ破壊とは別の勝ち筋を確保できます。
基本的に緑一色は1ターンキルを狙うのが主ですが
神碑を混ぜる事で持久戦を想定した戦い方もできるようになるでしょう。
ただし神碑の翼ムニンは自分のライフを回復させてしまうので
混ぜるのであれば神碑の翼ムニンはあまり出さない方がいいでしょう。
魔法罠を2枚まで破壊できる通常罠です。
魔法カードに頼らずに天敵である王宮の勅命を除去できる手段であり
それ以外でも何かしらこのカードのメタとなりうるカードは魔法罠が多いので
罠カードによる魔法罠除去手段はいざという時に助かります。
永続罠
①:「ソウル・レヴィ」は自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。
②:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
相手がモンスターの特殊召喚に成功する度に、
相手のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。
相手がモンスターを特殊召喚する度に
デッキからカードを3枚墓地へ送る永続罠です。
特殊召喚を多用するデッキが相手であれば強力なデッキ破壊効果であり
【神碑】が持つデッキ破壊戦術を加速させる事が可能です。
カードリスト
フィールド魔法
①:このカードがフィールドゾーンに存在する限り、
自分は相手ターンに「神碑」速攻魔法カードを手札から発動できる。
②:1ターンに1度、自分が「神碑」速攻魔法カードを発動した場合、
自分の墓地の「神碑」速攻魔法カードを3枚まで対象として発動できる。
そのカードを好きな順番でデッキの下に戻す。
その後、戻した数だけ自分はデッキからドローする。
永続魔法
①:「神碑の誑かし」は自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。
②:自分または相手が速攻魔法カードを発動する度に発動する。
相手のデッキの上からカードを1枚除外する。
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:以下の効果から1つを選択して発動できる。
このカードの発動後、次の自分バトルフェイズをスキップする。
●デッキから「神碑の穂先」以外の「神碑」カード1枚を手札に加える。
その後、相手のデッキの上からカードを1枚除外する。
●EXデッキから「神碑」モンスター1体をEXモンスターゾーンに特殊召喚する。
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:以下の効果から1つを選択して発動できる。
このカードの発動後、次の自分バトルフェイズをスキップする。
●特殊召喚された相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊する。
その後、相手のデッキの上からカードを2枚除外する。
●EXデッキから「神碑」モンスター1体をEXモンスターゾーンに特殊召喚する。
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:以下の効果から1つを選択して発動できる。
このカードの発動後、次の自分バトルフェイズをスキップする。
●相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
その後、相手のデッキの上からカードを4枚除外する。
●EXデッキから「神碑」モンスター1体をEXモンスターゾーンに特殊召喚する。
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:以下の効果から1つを選択して発動できる。
このカードの発動後、次の自分バトルフェイズをスキップする。
●相手がドローフェイズ以外でデッキからカードを手札に加えた場合に発動できる。
相手の手札をランダムに1枚選んで捨てる。
その後、相手のデッキの上からカードを2枚除外する。
●EXデッキから「神碑」モンスター1体をEXモンスターゾーンに特殊召喚する。
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:以下の効果から1つを選択して発動できる。
このカードの発動後、次の自分バトルフェイズをスキップする。
●相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。
その後、相手のデッキの上からカードを3枚除外する。
●EXデッキから「神碑」モンスター1体をEXモンスターゾーンに特殊召喚する。
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:以下の効果から1つを選択して発動できる。
このカードの発動後、次の自分バトルフェイズをスキップする。
●フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
このターン、そのモンスターは1度だけ戦闘・効果では破壊されず、攻撃できない。
その後、相手のデッキの上からカードを3枚除外する。
●EXデッキから「神碑」モンスター1体をEXモンスターゾーンに特殊召喚する。
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:以下の効果から1つを選択して発動できる。
このカードの発動後、次の自分バトルフェイズをスキップする。
●相手はデッキから1枚ドローする。
その後、相手のデッキの上からカードを4枚除外する。
●EXデッキから「神碑」モンスター1体をEXモンスターゾーンに特殊召喚する。
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:以下の効果から1つを選択して発動できる。
このカードの発動後、次の自分バトルフェイズをスキップする。
●相手フィールドのカードの数まで相手のデッキの上からカードを除外する。
●EXデッキから「神碑」モンスター1体をEXモンスターゾーンに特殊召喚する。
融合・効果モンスター
星3/光属性/天使族/攻 0/守2000
「神碑」モンスター×2
①:このカードがEXデッキからの特殊召喚に成功した場合、手札を1枚捨てて発動できる。
デッキから「神碑」永続魔法カード1枚を手札に加える。
②:自分フィールドの、「神碑」カードまたは
セットされたカードを対象とする魔法・罠・モンスターの効果を相手が発動した時、
フィールドのこのカードを除外して発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
③:自分・相手のエンドフェイズに発動する。
自分は1000LP回復する。
融合・効果モンスター
星4/闇属性/獣族/攻 0/守1000
「神碑」モンスター×2
①:このカードがEXデッキからの特殊召喚に成功した場合、
速攻魔法カード以外の自分の墓地の「神碑」魔法カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
②:フィールドのこのカードは効果では破壊されない。
③:このカードが戦闘で破壊された時、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。