2019年もいよいよ終わりを迎えます。
今年は遊戯王VRAINSが終わりを迎え、
しばらくして新アニメ「遊戯王SEVENS」が4月に放映されると発表、
同時期にルール改定も発表されると中々色々ある1年でした。
遊戯王ARC-Vの頃からこのサイトを立ち上げましたが
アニメが2作品終わり、3作品目を迎えるとなると長い事続けてきたもんだと感慨深いです。
遊戯王SEVENSが何やら初心者層を引き入れようという姿勢が感じられるので
せっかくなので久しぶりに遊戯王用語の解説でもしていきましょう!
「何このカードゲーム難しい・・・」
そんな感想をいだく遊戯王初心者の為の解説コーナー、
遊戯王特有の難解かつ複雑なルール、通称「コンマイ語」についての解説です。
前回から時間が経っていますが
『タイミングを逃す』、『最強サイクロン』、『蘇生制限』に続く4回目です。
「上級者でもよく間違えてる事だからあまり気にするな!」
をモットーに遊戯王の複雑なルールを紹介してみようというコーナーです。
というわけで今回の初心者あるあるミスはこれです。
「死者蘇生に対して昇天の黒角笛を発動」
特殊召喚を無効化出来るカードなので死者蘇生も無効化できるだろうと思ってしまうわけですね。
確かに文面だけ見ると出来ていいはずなのですが残念ながらできません。
その出来ない理由が死者蘇生が「チェーンに乗る特殊召喚」と呼ばれるものだからです。
今回はこのチェーンに乗る特殊召喚、乗らない特殊召喚について解説したいと思います。
目次
昇天の黒角笛の落とし穴
カウンター罠の代表格として神の宣告や神の警告といったカードがあります。
カウンター罠
①:2000LPを払って以下の効果を発動できる。
●モンスターを特殊召喚する効果を含む、
モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
●自分または相手がモンスターを
召喚・反転召喚・特殊召喚する際に発動できる。
それを無効にし、そのモンスターを破壊する。
モンスターの召喚や特殊召喚を無効化でき
相手の展開の妨害手段として非常に強力なカードです。
ただライフ2000のコストは中々馬鹿にならないのと一時期制限カードだった事もあって
神の警告の代替となるカードを求めていた人も数多く存在していました。
そうして代替カードを探していた人の一部はあるカードにたどり着きます。
カウンター罠
相手モンスター1体の特殊召喚を無効にし破壊する。
「お、ライフコストなしで相手の特殊召喚無効にできるじゃん!
通常召喚は無効に出来ないけど特殊召喚が主流だし十分許容範囲だ採用しよう!」
このカードの効果を見てこう考える人は結構いたのではないでしょうか。
確かにシンクロ召喚やエクシーズ召喚を無効に出来るカードとして機能します。
ですがこのカードには見落とされやすい落とし穴がありました。
「1体の特殊召喚しか無効に出来ないので複数体のペンデュラム召喚など
同時に2体以上を特殊召喚する場合それを無効にできない」
といった弱点もありますがもっと根本的な、そしてテキストからは判別し辛い落とし穴です。
「モンスター効果や魔法罠を発動しての特殊召喚は無効にできない」のです。
例えば死者蘇生による蘇生や
「え!?なんで無効にできないの!?」と思われる方も多いでしょう。気持ちはすごくよくわかります。
あえて言うならば『「特殊召喚」は無効にできても「特殊召喚する効果」は無効にできない』からです。
例えば死者蘇生やデブリ・ドラゴンなどによる墓地からの蘇生、
「融合」を使用しての融合召喚などがそれに該当します。
これららのモンスター効果や魔法罠を発動しての特殊召喚はチェーンブロックを作る為
一般的に「チェーンに乗る特殊召喚」、もしくは「カードの発動による特殊召喚」と言われます。
逆にシンクロ召喚やエクシーズ召喚などはチェーンブロックを作らず
「チェーンに乗らない特殊召喚」、「条件による特殊召喚」などと言われます。
さてこの説明を聞いて次にこういう疑問を持った方もいるでしょう。
「じゃあなんで神の警告は死者蘇生とかも無効にできるの?」
その説明をする為に改めて神の警告の効果の表記しましょう。
カウンター罠
①:2000LPを払って以下の効果を発動できる。
●モンスターを特殊召喚する効果を含む、
モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
●自分または相手がモンスターを
召喚・反転召喚・特殊召喚する際に発動できる。
それを無効にし、そのモンスターを破壊する。
モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚を無効にして破壊する効果の他に
もう1つ赤字で記された効果が書かれていますね。
特殊召喚する効果を含むモンスター効果、魔法罠というのが
まさに死者蘇生のようなチェーンに乗る特殊召喚を持ったカードであり
わざわざ通常の無効効果とは別にそういった効果を無効にする効果がつけられているのです。
厳密には歯車街の墓地で発動する効果など神の警告でも無効化出来ない特殊召喚がありますが
今回は割合しておきます。
シンクロ、エクシーズ、ペンデュラム、リンク召喚はチェーンに乗らない
では昇天の黒角笛で無効化できるチェーンに乗らない特殊召喚とはどういうものでしょうか。
定義するなら「効果ではなくルールによって行う特殊召喚」が該当します。
代表的なのはシンクロ召喚、エクシーズ召喚、ペンデュラム召喚、リンク召喚といった
融合召喚と儀式召喚以外の召喚法でありこれらは特定のカードを場に揃える事で
ルールによって特殊召喚が可能になっています。
これらの特殊召喚はチェーンブロックを作らず条件さえ満たせば特殊召喚できます。
そしてこういったカードは昇天の黒角笛で無効化が可能となっています。
逆に効果を発動しているわけではない為効果を無効にできるカード、
カウンター罠
①:フィールドに「天空の聖域」が存在し、
モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
例えばこんなカードでは無効にする事ができません。
前述のチェーンに乗る特殊召喚であればこのカードで無効に出来るので一長一短なわけです。
ただ前述の通り昇天の黒角笛は1体のモンスターを特殊召喚した場合しか無効化できず
複数体のモンスターを同時にペンデュラム召喚した場合には発動できない点には注意です。
逆に言えば1体だけのペンデュラム召喚であれば問題なく特殊召喚が可能となりますし
カウンター罠
自分フィールド上に存在するモンスター1体をリリースして発動する。
モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚を無効にし破壊する。
融合召喚と儀式召喚はチェーンに乗る特殊召喚(例外あり)
特別な召喚法のうち融合召喚と儀式召喚は融合カードや儀式魔法によって特殊召喚するので
これらはチェーンに乗る特殊召喚となります。
ただし例外もある、というより融合モンスターの中には
融合召喚ではない方法で特殊召喚する融合モンスターが存在します。
融合・効果モンスター
星10/闇属性/機械族/攻 0/守 0
「サイバー・ドラゴン」モンスター+EXモンスターゾーンのモンスター1体以上
自分・相手フィールドの上記カードを墓地へ送った場合のみ、
EXデッキから特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。
このカードは融合素材にできない。
①:このカードの元々の攻撃力は、
このカードの融合素材としたモンスターの数×1200になる。
こんな感じの『(「融合」は必要としない)』みたいに書かれたカードがそうです。
これらは融合カードなどのカードの効果によって特殊召喚しているわけではなく
このカード自体が持つ召喚ルールによって特殊召喚が可能なので
チェーンに乗らず昇天の黒角笛で無効化できるわけです。
まあこちらもシンクロやエクシーズの時と同様に
「カードを使って特殊召喚する場合はチェーンが乗る、使わない場合はチェーンが乗らない」
というのを意識しておくのがいいでしょう。
特別な召喚法以外のモンスターの場合
さてある意味これからが本番です。
シンクロ召喚やエクシーズ召喚というのはある種分かりやすい方です。
ここからさらにややこしくなります
効果モンスター
星5/風属性/魔法使い族/攻2000/守1200
①:このカードは手札を1枚捨てて、手札から特殊召喚できる。
特定の条件で手札から特殊召喚できる効果を持ったモンスターです。
このカードの場合は「手札を1枚捨てる」という条件を満たす事で特殊召喚が可能です。
こういった特定条件や手札から特殊召喚する効果は
一般的に「召喚ルール効果」と呼ばれるもので発動する類の効果ではありません。
つまりチェーンブロックを作らず昇天の黒角笛で無効化する事が可能です。
効果モンスター
星2/光属性/サイバース族/攻 800/守 600
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが手札に存在する場合、
自分フィールドのレベル3以上のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターのレベルを2つ下げ、このカードを特殊召喚する。
こちらはレベル3以上のモンスターのレベルを2つ下げる事で
手札から特殊召喚する効果を持ったカードです。
しかしこちらは上記のTHE トリッキーとは違い昇天の黒角笛では無効化できません。
キーワードは赤字にしている「発動できる」の部分です。
テキストの通りに発動する効果であり
昇天の黒角笛では無効化出来ない「チェーンに乗る特殊召喚」なわけです。
このようにモンスターを手札から特殊召喚する効果にも
チェーンに乗る特殊召喚と乗らない特殊召喚があるので気を付けましょう。
判別方法としてその効果に「発動」の文字があるかが目安となります。
ただ新しいカードなどはちゃんと「発動」の文字があるからいいのですが
昔のカードだと発動する効果にも拘わらず発動と書かれていないものもあります。
効果モンスター
星7/地属性/獣族/攻2600/守1800
自分フィールド上に存在する獣族モンスターが
戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、
自分の墓地に存在する獣族モンスター2体をゲームから除外する事で、
このカードを手札から特殊召喚する。
獣属性モンスターが戦闘破壊される事を条件に手札から特殊召喚するカードですが
どこにも「発動」の文字が書かれていません。
でもこれ「発動する効果」なんです
昇天の黒角笛では無効化できません。
ポイントとなるのは発動条件でこのカードの場合、
「獣族モンスターが戦闘破壊された時」とタイミングが決まっています。
こういった特定のタイミングで発動できる効果を一般的に誘発効果といい
この誘発効果は発動する、チェーンに乗る効果に分類されます。
これは本当にややこしいので昔のカード、特に「①」や「②」といった表記がないカードは
wikiを確認してそれが発動する類の効果どうか確認しておくといいでしょう。
ライオウを使う時、使われた時に
このように昇天の黒角笛では無効化出来ない特殊召喚というのは結構あります。
その為神の警告の代替として意識されながらも結局あまり採用される事はありませんでした。
ただ昇天の黒角笛と同じ条件の無効化効果を持ち、
かつ現在でも結構使われるカードがあります。
効果モンスター
星4/光属性/雷族/攻1900/守 800
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、
お互いにドロー以外の方法でデッキからカードを手札に加える事はできない。
また、自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを墓地へ送る事で、
相手モンスター1体の特殊召喚を無効にし破壊する。
それがこちらのカード、ライオウです。
1900という下級アタッカーの打点とサーチを封じる効果、
そして昇天の黒角笛を内蔵しているとも言える特殊召喚を無効にする効果を合わせ持ち
メタビートにおいて今でも十分に優秀な性能を誇るカードです。
もし相手にこのカードを使われた場合、
何が無効にされて何が無効にされないのかを把握している事は大きな意味を持ってくるでしょう。
自分がこのカードを使う場合はなおさら重要です。
どれを無効にできて、どれを無効に出来ないかはしっかりと把握しておきましょう。